電気屋さんに見に行っても、炊飯器ってどう選べばいいかわかりずらいと思いませんか?
実際に全部試食できるわけではないし、価格も数千円から10万円クラスまで様々。
今回は実際に接客してて感じることも踏まえながら解説していきます。
①お米を炊ける量を選ぶ
炊飯する際に、その炊飯容量パンパンに炊くとおいしく炊けません。
3合炊くなら5合炊きがいいとか、6合炊くなら1升炊きがいいとか。
その理由として、お米と内蓋の間に空間があった方がお米が対流しやすく、炊きムラしにくい仕上がりになります。
じゃあいっつも大きいの買えばいいじゃない!っていう訳ではありません。
1升の炊飯器に1合だけ炊くなど少なすぎる量だと、べちゃっとしたご飯ができあがります。熱効率が悪くなりやはり炊きムラの原因にもなります。
炊きムラがあると、お米に芯が残り「すんげー固い部分がある!」って事になります
炊飯器の合数の目安
適切な炊飯容量の選び方ですが、
3~5名のご家族であれば5合炊きモデルでほぼ大丈夫です。買い物に来られる方もほぼ5合炊き選ばれる方が多いです。
まれですが、保温めっちゃする、って方が3~5人家族でも1升購入される方いらっしゃますが、ほとんどのご家族はすぐ食べきる、冷凍して保存するなどされます。なので1升いらなかったって事も。
そしてまたまれですが、1人暮らしで、たま~に親戚が大勢来ることがあるので1升買うというご年配の方もいらっしゃいますが、個人的にはおすすめしてません。
大きい炊飯器で少ないお米の量を炊くとおいしく炊けない、という事を考えると普段1合ずつしか炊かないという方が、大きな炊飯器で炊くという事は、普段おいしい炊き方をしていないという事になりかねません。っていうかなります。
普段炊く量がどのぐらいか、という事を考えた上で選ぶべきです。
1~2名でのご利用であれば3合でもいいと思います。もちろんいっぱい食べる人がいるとなると違ってきますが、一回でどのぐらい炊くかという事は大事。
目安をまとめると
合数 | おすすめ人数 | おすすめの量 | 備考 |
---|---|---|---|
3合 | 1~2人 | 1~2合 | 1人暮らしの方はこれでOK。 |
5.5号 | 3~5人 | 3~4合 | 一番無難なサイズ。種類も豊富です。 |
1升(10合) | 6~大家族 | 5~8合 | 一番でっかい。いつも大量に炊く方はこちら。 |
もちろんいろいろなご家庭の事情もあるので、完璧に当てはまりませんが、おおよその目安になるかと思います。
②炊飯器の加熱方式の違いを確認
サイズを決めたら次は加熱方式を見ていきましょう。
加熱方式っていうとなんかかっこいいですね。まぁ炊き方ですね。
まずは一覧
マイコン | IH | 圧力IH |
---|---|---|
下から熱を加える | IHコイルを使って 釜全体から発熱 | 圧力を使って100℃ 以上の高温で炊く |
細かく案内いたします。
安く買えるマイコン式
マイコン式は古くからある方式で、釜の下に設置されているヒーターで発熱を行い、熱を全体に行き渡らせます。その火力の制御をマイコンを利用して行ってます。
マイコンとは、「マイクロコンピューター」か「マイクロコントローラー」の略。どっちが正解か謎
マイコン式は古くからある分安いです。マイコン式発売当初は「マイコン内蔵ですごいぜ!」って感じだったらしいですが、現状は格安モデルがマイコン式です。
下手したら5,000円ぐらいで買えます。
その分、仕上がり、保温性能など全体的にイマイチな仕上がりになります。以前購入されたお客様で、介護施設で利用されており、すぐ壊れるから安いのでいい!とマイコン式を選ばれた方がおられました。3日後に「やめときゃよかった…」と次に案内するIH式を買っていかれました。
この方はIH式を今まで使ってて、マイコン式に変更されたので味の下落についていけなかったようです。
しかし基本的には3合以下の少ない量で炊く分には、大きな問題があるわけでもなく硬めのご飯が好きな方、保温機能もあまり期待できないため、ほぼ保温をしない方は選択肢となります。各メーカーさんもマイコンでもおいしく炊けるよう、最近の機種はがんばって作ってありますね。
子供の一人暮らしで、安く家具家電を揃えたいって方はほぼマイコン選ばれます。
ご年配の方で内釜が軽いからこれがいい、と選ばれる方もおられました。
これで十分 IH式
マイコン式は底部からの発熱だけだったので、どうしても熱の効率が悪いです。
IH式は外釜に取り付けられているコイルを使って、内釜全体から発熱させます。
マイコン式に比べ温度管理もしやすいので、炊き方のメニューも増え保温も上手になります。
IHとは、「電磁誘導加熱(Induction Heating)」の略。かっこいい。
正直、炊飯器としては一番売れており、これで十分では?と思う人も多いと思います。
価格帯としては2~3万円ぐらいが多いです。
12,000円ぐらいのIHタイプもありますので、マイコン選ぶぐらいならこっち選んだ方がいいと思います。
IH式は釜全体を加熱し、熱をむらなくお米に伝えることができるため、炊きムラができにくい特徴があります。一度にたくさんのお米を炊く際も、熱をしっかり伝えることができるためおいしく炊けます。
デメリットとしては、マイコンに比べれば電気代は高くなります。が、1回の炊飯で1円ぐらいの違いのため誤差ですね。場合によってはIHの方が電気代安いこともあるようです。マイコンが静かっていう人もいらっしゃいますが、普通の生活してたらそんなに気になりません。ブルーレイレコーダーの音の方が大きいっていう方もいました。
価格面以外ではマイコンより絶対IHがいいです。無難です。
3合炊きなどの少ない容量だと、火力もそこまでいらないのでマイコンでも問題無し、て意見もありますが、別にそんなに価格も変わらないのでIH選んでおけば間違いないです。
さらに高みを 圧力IH
さっきのIH式に圧力を加えます。
圧力を加えると水ってどうなるかご存じですか?
通常水の沸点は100℃ですが、圧力を加えることによって100℃以上の沸点になります。
基本的な加熱方法は通常のIHと同じですが、圧力IHは水の沸点が高くなることを利用し、100℃以上の高温でお米を炊くことができます。
お米炊くときは温度が高ければ高いほどおいしく炊けます。でんぷんの「α化」とかいうシステムですね。
とにかく圧力付きの方がより一層おいしく炊けるようがんばります。
少しデメリットもあります。
まずは価格が高いって所ですね。3万以上ぐらいからですが、高級機も名を連ねてきますので、商品によっては10万円近くのものもあります。圧力IHの売れ筋としては3~5万円ほどですね。
上のクラスの炊飯器は、内釜が重いこともよくあります。パナソニックさんのは軽い方ですが、昔あった象印さんの南部鉄器シリーズは凶悪な重さでした。筆者的にはその重さがよかった…
もう1つデメリットがあり、洗う部分の突起部が多くなります。圧力を利用するので、圧力弁が内蓋についてます。ここが少し洗いずらい機種が多く、お手入れをさぼると部品内部に汚れがこびりついていたりします。
圧力IH炊飯器に限った事ではないですが、マニュアル通りのお手入れをしっかり行いましょう。
③各メーカーの違いをチェック
今まで書いたことに加え、各メーカーで商品の傾向があります。それに部屋の中に置く商品なので、人によっては見た目、色にこだわる方もいらっしゃいます。メーカーにより内釜のこだわりもちがってきます。
ここからはいろいろ書くと難しいので、簡単に代表的な各メーカーの特徴を伝えていきます
象印
マイコン
- センサーを利用しての温度管理が上手なので、マイコンなのに保温が優秀。約12時間OK
- 蓄熱性の高い黒厚釜を採用し、炊きムラを防ぐ
IH
- 保温性能があがり、約30時間OK
- ご飯の甘み成分を引き出すプラチナ厚釜
圧力IH
- 極め保温で約40時間保温OK
- 鉄器コートプラチナ圧釜採用 大火力と高圧力でお米をふっくら仕上げる
上位機種
- 複数の底IHヒーター使用。独自の豪炎かまど釜でお米を舞い上がらせるように炊き、ふっくら甘みのあるごはんに仕上げる
タイガー
マイコン
- 遠赤効果が高い「遠赤黒特厚釜」採用し炊きムラを抑え、粘りのあるご飯にしあげる。
- 操作がシンプルわかりやすい
IH
- 「遠赤3層土鍋コート釜」。土鍋素材の遠赤コーティングで、ムラなく甘く炊き上げる
- 110~115℃の高温蒸らしで、お米のα化を促進。お米の旨味を引き出す
圧力IH
- 土鍋コーティングの遠赤、蓄熱効果でおいしさを引き出す
- 土鍋のような細やかな泡立ちで沸騰しおいしさを引き出す
上位機種
- 連続ノンストップ加熱で甘みアップ
- 本土鍋の遠赤効果で旨味をしっかり引き出す
パナソニック
IH
- ダイヤモンド微粒子で細かな泡が発生。お米一粒一粒ふっくら炊きあげるふたにもIH搭載。全面から包み込むように加熱
圧力IH
- 可変圧力採用。高圧から一気に減圧し爆発的な沸騰。お米に熱をしっかり伝える大火力IHでふっくら炊き上げる
上位機種
- 250℃の高温スチームで、お米の芯まで熱を浸透。おねばを表面にコーティングし旨味を閉じ込める
三菱
IH
- 強い火力で連続沸騰
- 熱伝導の高い金属釜を備長炭コートで大火力
- さめてもおいしいお米
上位機種
- 本炭釜採用。全方向からの加熱も加え、もちっと甘いご飯に仕上げる
東芝
マイコン
- ふたのヒーターで保温が強い
- 本かまどコースでふっくら炊き上げる
IH
- 真空技術でお米への給水効果アップ。水を吸ったお米は甘みアップ。
- 真空技術で保温40時間OK。
圧力IH
- 同じく真空の技術に圧力がプラスされおいしさアップ。
上位機種
- 水の硬度に合わせて炊き分ける。いつもの水でもおいしく。
- 内回り外回りの熱対流で内釜全体を均一に加熱、ふっくら炊き上げる
日立
IH
- 内釜カーボンフッ素加工で内釜の保証が長い
- 内釜で洗米も自信あり
圧力IH
- IH発熱効率が高い黒厚鉄釜採用。
- 蒸気セーブ機能で置く場所のバリエーションが増える
上位機種
- 蒸気をスチームに利用し、高温維持したままじっくり蒸らす。外硬内軟を実現
- スチーム保温で40時間保温OK
すごく簡単にまとめてみました。
時間あるときに詳しく案内できればと思います。
④まとめ
最後にこの記事のまとめです。
炊飯器のサイズは
- お米を日常でどのぐらい炊くかで容量を選ぶ
- 最大炊飯容量の6割がおすすめの炊く量
加熱方式は
- 味は気にせず保温も気にしないならマイコン式
- 炊きムラなど無く、ある程度の仕上がりを求めるならIH式
- 味を求めるのなら圧力IH式
メーカーごとの違いはマイコンタイプはあまり無いですね。
各メーカーIHタイプはそこまでの差は感じませんが、圧力がついて、なおかつ高級機になるといろいろな機能がプラスされます。その辺は炊きあがりが好みそうな機種、お財布と相談ですね。
購入されたからの感想ですが
- 保温重視は、象印、東芝
- 炊きあがりも象印人気。その他はパナソニック、タイガー
- 棚の中に入れたいとかは日立一択
参考までに。
うちは超保温重視で東芝愛用中です。真空にする時にブーーーーンって音が鳴り響きます。
すぐ慣れました。
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